2017年3月7日火曜日

統計物理懇談会(2日目)
2日目も相変わらずパワフルかつエキサイティングな話ばかりで、非常に楽しい。個人的には、聴衆の中に議論したい人がいたので、そのへんの方を捕まえて話を聞けたのも非常に有益だった。
白石さん「熱機関のパワーと効率の間の普遍的なトレードオフ関係」
熱力学で議論されるエンジンのパワーと効率の間にはトレードオフの関係があるっていう話を、マルコフ過程による記述を使って、一般的かつキッチリと示したという話。よく質問する人が白石さんの共著者ばかりだったので質問不足が予測されたため、必死になって質問した。
山本さん「カイラル輸送現象:ニュートリノから超新星爆発へ」
超新星爆発って3次元では起こらないけど、ニュートリノのカイラリティを考慮した流体方程式を考えると起こるっぽい、という話だった。非常にTalkがクリアで、めちゃくちゃに面白かった。宇宙すごい。会場も盛り上がっていた。
金澤さん「金融市場のブラウン運動のミクロ導出の試み:分子運動論の数理の応用」
外国為替市場のデータからミクロな情報(トレンドへの応答)を抽出し、そこからブラウン運動的な振舞いを導出するという話。経済物理ってほぼ聞いたことなかったけど、大胆な仮定をバンバン入れながらも最後にはバシッとスケーリングが合ったりして面白かった。ところどころ挟まる雑談も面白かった。
田中さん「言語データに内在する大域的性質に関して:統計物理学的観点から」
言語に潜む普遍的な構造を数学から探ろう、って話。言語が内在的に持っているエントロピーや、フラクタル的な長距離相関など。これまで全く聞いたことない話で、とても刺激的だった。特に、言語データに”音楽”まで含んで解析していた所は興味深かった。音楽の性質知りたいなぁ。
西坂さん「分子モーター研究の新しい潮流:バクテリアとアーキアの多彩な運動」
バクテリアやアーキア(ゲノム的にはバクテリアより私たちに近い存在らしい)の運動を、光学顕微鏡で直接観測、その振舞いを統計的な手法で解析して、仕組みを理解していこうという話。物理としてどうだったのかよく分からないけど、”すっごくちっちゃい世界を、最強の道具立てを使って、捻りの効いたアイデアでズバズバ理解していく”っていう科学として最高に楽しい話だった。圧倒された。 
佐野さん「シア流と非平衡相転移」
水を薄く閉じ込めて、それを直接観測することで、乱流-層流転移のユニバーサリティクラスをバシッと決めてやろうっていう実験とそれに付随する実験の話。この話は以前から聞いて、直接マクロな系を撮影してそれを画像解析してしまえ、っていうパワフルかつ凄まじい実験で、非常に好きだったのだけど、詳しい話を聞くのは初めてだった。乱流とかKPZとかの話を自分の研究にも持ってきたいなぁ...など妄想するなど。

ごはん
お昼は食堂でみんなで。目の前が羽田野先生で非エルミートの話を相談させていただく。夜は弊研助教さんと弊研OBの方と新横浜で議論兼食事。カレーでしたね笑

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